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「ラストチャンス」とは?――「大阪都」構想 元大阪市民の覚書(4)

 2015-05-14
今回の住民投票では、有効投票のうち、
「特別区」の設置に「賛成」が過半数となれば、
大阪市は廃止され、「特別区設置協定書」に基づいて、
2017年4月に「特別区」ができます。

この点に関連して、5月12日の参議院総務委員会で、
民主党の尾立源幸議員(大阪選挙区選出)が、
地方自治を所管する高市早苗総務大臣に質問しています。

◎尾立議員

…(大阪市を廃止して特別区を設置した後で)何か問題が
今後生じたときにですね、この特別区設置を元に戻した方がいいと、
こういう判断が地域住民から起こった場合にですね、
現行法ではどのようになるんでしょうか。高市大臣

○高市総務大臣

…いまの法律で特別区を廃止して新たに市町村を設置するという
手続きが設けられておりませんから、いったん特別区を設置した後に、
特別区が市町村に戻るということは現行法ではできません。

◎尾立議員

そうすると、いったん大阪市を廃止して、
特別区をつくってしまったら、後で失敗だったと、
もう一回政令市に戻りたいといっても、
いまの法律ではできないということでよろしいですね。

○高市大臣

そういうことになります。


誰が質問しても同じ答弁でしょう、
住民投票で「賛成」するということは、
「大阪市廃止」の「片道切符」を買うことを意味します。


では、住民投票で「反対」が多数になると、どうなるか。
簡単ですね。特別区「特別区」は設置されず、大阪市は存続します。

その場合、「特別区の設置」という問題はどうなるのでしょうか。
未来永劫できないのでしょうか。

この点について、さきの尾立議員の質問に対し、
総務省側が答弁しています。

○佐々木自治行政局長

…一連の手続きの中での住民投票は1回ということでございますけれども、
大都市地域特別区設置法自体は存在しておりますので、
これに基づきまして、手続きの最初から手続きをするということについては
特段の回数の制限というのは設けられていないところでございます。

◎尾立議員

住民のみなさんが今回の件で非常に頭をなやませていらっしゃって、
よく分からないという方がまだまだ多数いらっしゃいまして、
そういう意味では分からない方が判断する場合…
…もう1回できるということであれば、とりあえず留保する
ということで、まずは反対ということもありうる…
…さらに理解を深めるためにもう1回やるということは可能だ
という答弁をいただいたと思っております。


つまり、新たに「特別区設置協定書」をつくり、
議会に提案し直して承認を得ることなど一連の手続き、
なによりも住民が十分理解を深めた中で、
住民投票を行うことは法律的にできるということです。

橋下さんはきょうの新聞折り込みビラで、

「ラストチャンスです」

と訴えてはりますが、何のことでしょうか?

DSCN8716.jpg


大阪市の廃止は今回の住民投票1回きりで決まるので、
その意味では「ラストチャンス」「ワンチャンス」ですが、
「特別区の設置」は「ラスト」でも「ワン」でもありません。

この件について、こないだの日曜日(5月10日)、
私ども夫婦でこんな会話をしました。
ちょうど橋下さんの、長いめのテレビCMが流れた日です。

奥:ふと思うんですけど、橋下さんて、
  本当に「大阪都」構想を実現したいと思ってはるんでしょうか?

私:はあ?なんで?

奥:いえね。きょうもテレビCMで、

  「ここまで山あり、谷あり、地獄あり」
  「住民投票ですべてが決まります」
  「ワンチャンスです」

  とか言うてはりましたけど、
  こんどの住民投票で「反対」が多数になっても、
  また改善して作りなおして、提案し直して、
  「賛成」が得られるまで頑張ったらどうなんでしょ。
  自分の人生を賭けて。

私:それでこそ「男」、でしょうなあ。

  そもそも、住民投票で大阪市民が判断せんとあかん、
  「特別区の設置」というのは、いまのところ、
  ただの「紙切れ」ですやん。

奥:紙切れ、ですか?

私:「特別区設置協定書」という、文字通り「書類」「文書」でんがな。
  だいたい、橋下さんのもともとの考え、公約でいえば、
  ことし4月から「大阪都」になってるはずやったんです。
  それを2年後の4月に先送りしたわけです。
  提案者自身が、そのくらいの融通は平気でしてはるんですから。

奥:あと、街場では、

  「大阪都構想、よう分からん」

  という意見をよく聞きますよ。

私:そらそうですやろ。
  橋下さん自身、これまでも、
  「大学生が4年間勉強しないとわからない」
  と言うはりましたし。
  「協定書」が議会で承認されてから「60日以内」に、
  住民投票せえというのが法律になってますけど、
  まあ、無茶な話ですわ。

奥:「よう分からん」という人は、どうしたらいいんでしょうかね?

私:選択肢がない、判断できないということで棄権してしまうと、
  「賛成」か「反対」か、どちらが多いか、
  ということだけで、物事が決まることになります。
  それでは「よう分からん」「もっと考えたい」
  という人らは「置いてけぼり」になりますわな。

  いまのところ「特別区設置」、まあ便宜的にいえば「大阪都」構想は、
  しょせん紙切れですわ。
  「反対」多数で否決されても、また提案し直すこともできますが、
  「賛成」多数なら特別区設置=大阪市は廃止、です。

奥;どちらが、リスクが高いか、ということですね。

私:「協定書」の中身もちゃんと説明せんと、
  「ラストチャンスです」とあおるのは、
  押し売りが家に来た挙句、「買うのか、買わんのか」と凄んで、
  「買わんと、お前、終わりやぞ」というてるようなもんですわ。

  私が思うに、
  「よう分からん」「もっと考えたい」という場合は、
  「反対意見」を支持するかどうかは別として、今回は
  「反対」に1票入れるのが賢い選択ちゃうかなあと思いますわ。


公明党・待場康生前市議の反対討論――「大阪都」構想 元大阪市民の覚書(3)

 2015-05-14
5月17日の住民投票で選択するのは、
大阪市を廃止して、「特別区」を設置するか・どうか。

「特別区」を設置するにあたって、
大阪市と大阪府の間で取り決める内容が、

「特別区設置協定書」

としてまとめられています。

「特別区」を設置する上で必要な、
設置の年月日、区域、特別区議会の議員の定数などほか、
いままで市民や企業が大阪市に納めていた税金はどこに行くのか、
大阪市がやってきた仕事や市立施設は「特別区」で担うのか、
それとも大阪府が担うのかなどについて書いてあります。

住民投票ではこの内容について「賛成」「反対」を選びます。

これが現物。

協定書 (1)

協定書 (2)


全部で700ページほどありますが、
上に書いた主な項目が記された本編は約20ページ。
その内容を解説した

「特別区設置協定書について(説明パンフレット)」

が4月に大阪市内に全戸配布されました。

パンフ


しかし、「特別区設置協定書」に書いてあることは、
「事務分担」「財産の承継」「債務負担行為」「財政調整」など、
用語のひとつひとつからして、多くの一般市民になじみがなく、
はっきりいって、すぐに理解できるものではありません。

橋下市長自身が、「パンフレットは4ページ目くらいまで読むと、
眠たくなってしまうものです」などとおっしゃっていたくらいです。

そういう代物を「賛成か反対か、判断せよ」と市民に迫っているのが、
今回の住民投票です。

「よう分らん」

という声が出るのは当然なのです。

だからこそ、プロ(専門家)の行政マンが「協定書」案のたたき台をつくり、
市民から選ばれた市会議員が、これまたプロとして、
「協定書」案をまとめる「大阪府・大阪市特別区設置協議会(法定協議会)」や
できあがった「協定書」を大阪市会・大阪府議会で、まず審議を尽くすことが、
大都市法で定められた、ものごとの順序です。

「協定書」は大阪市会と大阪府議会で承認されて初めて、
「しかる後」に、住民投票にかけられます。いわば最終チェックです。

この「協定書」は昨年10月の大阪府議会と大阪市議会で、
大阪維新の会以外の反対多数で否決されました。
維新は両議会で過半数の議席を持っていませんから。

「協定書」は、死んでしまったのでした。

では、なぜいま住民投票になっているかというと、
昨年末、「協定書」に反対した公明党が、

「協定書の内容には反対だが、住民投票には協力する」

という、市民からみて「さっぱり分らん」理由で方針を転換し、
ことし1月、維新と公明の賛成多数で「協定書」が承認されたからです。
昨年10月に否決された「協定書」のごく一部を修正しただけで、
基本的には同じ内容のものです。

私は、「協定書」を否決した昨年10月の大阪市議会本会議を、
傍聴席で聞きました。

そのとき公明党を代表して、「協定書」の承認に反対の討論されたのが、
大阪市東成区(定数3)選出の待場康生幹事長(当時)でした。

私は大阪市民だったとき、大阪市東成区に住んでいました。
1995年4月の大阪市会議員選挙で初当選されたのが待場氏。

新人候補者だったころの待場氏がわが家においでになったことがあります。
私の娘が通う保育所で同じ組だった女の子のお母さんが創価学会員で、
そのお母さんの案内で、待場氏が立候補のあいさつに来られたのです。

待場氏が、私とのそんな出会いを覚えておられるかどうか分りませんが、
私は本会議壇上に立たれた待場氏の姿を見て、
さまざまな感慨がありました。

傍聴席から、「東成屋!」と声を掛けそうになりました。

待場氏の反対討論は包括的かつ断固としたもので、
「協定書」を理解する上で、私も大いに勉強させていただきました。
大阪市を廃止し、特別区を設置することの賛否を問う住民投票において、
この討論どおりの立場で臨まれるのが筋だと思います。


待場氏の反対討論、私の記録を基に、長文ですが全文を掲載します(赤字は私)。

 私は公明党大阪市会議団を代表して、このたび本会議に上程されています議333号「特別区設置協定書の承認について」の議案は、承認できないことを表明し、以下その理由について述べます。

 特別区設置協定書については10月9日・10日に開催された財政総務委員会、10日に開催の5つの常任委員協議会、22・23日の本会議一般質問におきましてさまざまな角度から質疑をしてまいりました。その結果、市長が設計図を呼ばれているこの協定書には、これまで喧伝されていた効果やメリットがほとんどなく、さまざまな不備があり、そのまま実現すると市民生活に多大な影響を与えることが明らかです

 市長の答弁から感じた1つ目は、統治機構の変革とも言われますが、自治体の構造をいじったくらいで大阪経済が成長に転じるとは全く思えません。2つ目に、大阪市を解体しその権限を広域自治体が奪うことは、地域主権から基礎自治体中心とされる考え方からは矛盾します。3つ目に、府に移行したからと言って、直ちに国から財源・権限が移譲されるわけではありません。府と市のコップ内での財源・権限の整理にすぎず、再編後の府の財政シミュレーションが全く示されていないことも不透明感を感じます。4つ目に、多くの都市が合併で権限を持つ政令市の仲間入りをしている中で、わざわざ政令市を放棄してまで5つの特別区にする意味がわかりません。大阪市を解体すれば、関西きっての大都市は京都市、神戸市のみであります

 マスコミの一般質問の報道で、議論は平行線と論じられましたが、平行線ではなく、ねじれの議論で、未来永劫議論をかみ合わせるつもりがないように私は感じました。

 まず当初標榜されていた中核市並みの権限を持つ特別区にすることに関しては、法令改正を行うことをなぜかあきらめ、事務処理特例という見通しの立たない決着をつけてしまったことは致命的だったと言わざるを得ません。街づくりの重要な権限である都市計画法上の用途地域の指定など大事な権限がなくなり、中心市街地の再開発を主体的に行うことが無くなってしまいます。

 財源についても、大阪市の保有財源であった普通3税の固定資産税、法人市民税、特別土地保有税と、目的税の都市計画税、事業所税、さらに宝くじ税が府の財源とされ調整されます。25年度決算で6418億円の市税がわずか4分の1の区税、1618億円に激減、府に区は埋もれる依存した団体になってしまいます。特別区に残される税源・財源は、個人区民税、区たばこ税、軽自動車税のみで、特別区独自で街の活性化をいくら図ってもその見返りはありません。財源調整交付金の名目で、必要に応じて特別区に分配すると謳ってはいますが、配分割合や特別区の意見がどこまで反映されるのか、先送りされています。極めて重要な位置づけに関わらず甚だ不透明であり、まともな自立した基礎自治体とは言えません

 市長は行政の予算編成権が近くにある特別区が今の府市体制より優れていると何度も強弁されましたが、要は近くに来ても裏付けとなる財源が無いと意味がありません。市民サービスの低下を招くだけです。中核市並みどころか、一般市以下の、自立性も魅力もない、発展・競争性も発揮されない自治体が5つも誕生することになります。中核市並みは、この協定書によって幻になったと断言させていただきます。

 さらに、府市統合の目的であった「ニア・イズ・ベター」でありますが、それを実現するために30万人規模が最適であるとして、大阪市の大都市税財政特別委員会で維新の皆さんが主張し続けていたことは記憶に新しいところです。しかし、今回の協定書では、人口70万人規模の特別区が含まれるなど、当初の主張との乖離がみられます。なぜこうなったのか。結局のところ、コストが少ない方を選んだに過ぎず、当初の理由が脆弱であったのでしょうか。本来目的はそこになかったのか。理念を捨て、コスト優先で、ニア・イズ・ベターは方便であったとしか言えません。住民自治の視点が欠落の上、本質的な府市統合の目的を捨て去ったと言わざるを得ません。

 次に、二重行政を解消すれば、大阪が豊かになると、維新のポスターにも示されました。その統合効果ですが、これも離散霧消してしまいました。二重行政批判は、役割分担をしっかりと行っていれば、住民に不都合はないはずです。松井知事は、第1回府市統合本部会議などで、「大阪市と大阪府の予算を考えれば、二重行政の解消により毎年4000億円からの財源を生み出すことは最低ライン、これは政治の約束」と打ち上げられました。しかしながら、いくら精査しても、そのような統合効果は皆無で、昨年示されたパッケージプランでは、純粋な統合効果は、わずか毎年1億円に過ぎず、喧伝していたものが、実は4000分の1以下になってしまいました。市長も、4000億円の可能性があるなど、何度か言葉を変え、効果額は多様な評価法があると、苦しい答弁をされましたが、府市再編しなくても、できるものも加味されています。統合効果がないばかりか、特別区設置によるコスト増、つまり、デメリットについては、庁舎改修費、新庁舎建設費で497億円、システム改修費150億円、移転経費5億円、その他街区表示板、看板、広報、備品などで9億円、総計最大680億円もの多額の経費がかかることが明らかになっており、コストもメリット、デメリットからみれば、マイナス効果しか見通せない状況に愕然といたします

 次に、事務配分を急ぐあまり、新たに誕生する巨大化した一部事務組合についてです。この一部事務組合の予算規模6400億円は、政令指定都市堺市の全会計にほぼ匹敵し、究極の不効率が明白です。国民健康保険や水道事業は本来は基礎自治体が各々実施すべき事務事業です。自治体の規模が小さい場合など、各自治体がそれぞれの判断で、協議により設置するものです。市長は、他の一部事務組合はうまくいっているとされますが、規模も、中身の複雑さも理解されていないのでしょうか。スケジュールありきの協定書の作成を急ぐあまり、基礎か広域かの明確な物差しもなく分けようとしたために、行き場のなくなった事務事業を一部事務組合に押し込めるだけ押し込めて、巨大化したと言わざるを得ません。一部事務組合の代表者は、特別区長の互選で決めるとなっていますが、5人の区長が公選ということになれば、その公約や有権者の声などどう調整をされるのか、一つの事務事業でさえ、利害が相反する中、総務省でさえ、住民から見えにくいと指摘されているのに、100以上の事務事業について、機動的な意思決定ができるのでしょうか。

 また、事務組合における議会の問題や、処理業務の多さなど、これまでの一部事務組合のスキームで推し量ることはできず、規模といい、事務内容といい、特別区の共通事務を共同処理する巨大な一部事務組合というよりは、全部事務組合と呼んだ方がよさようです。
 結局、利害が相反する場面で、誰が責任をもって決定するのかあやふやで、特別区、一部事務組合、大阪府の三重行政の誕生といえるでしょう。市長は三重行政ではなく、役割分担でできると答弁、ならば、現状の府市も協議と調整で役割分担すればいい話です。二重行政の解消を目指し、効果額4000億円を見通し、ニア・イズ・ベターを実現しようとしたら、三重行政が誕生し、デメリットが680億円のコストと、このような事態を誰が予想したでしょうか。 

 統治機構の一元化も、ニア・イズ・ベターも、4000億円の効果額も、中核市並みの特別区の実現も、全ての目的が達成できないことを証明したのが、この特別区設置の協定書であったということが、委員会質疑や一般質問で明確になったと言えます。論議は尽くされました。当初、市民が市長に期待されていた発信力、突破力も協定書では市長の意地と話題づくりだけで推し進められ、後は野となれ山となれでは、孫、子の代まで禍根が残り、大阪市民が不幸になる、後戻りできない代物です。

 そういう結果が出るころには、市長は居られないでしょうが、本来の法定協議会をスケジュール通り開催し、維新以外の会派からの課題の指摘について、真摯に取り組んでおられれば、このようなやっつけ仕事で不備だらけの協定書を作ることはなかったでしょう。
 
 財政が厳しい中6億3000万もの巨額の税金を使い、出直し選挙まで実施されました。しかも他会派を排除してまで作成を急ぎ、特別区に解体される側の大阪市の委員がいない状況でまとめられ、結果として府市統合再編の本来の目的をすべて失わせることとなってしまいました。

 大阪府議会では、去る23日の本会議において法定協議会の委員構成が正常化されました。その正常化された法定協議会に基づき、市長の言われる議論不十分という論戦を交わし、市民の目線に立った議論を深め、真の目的を実現できる協定書づくりに仕切りなおすべきです。

 この9カ月間の月日とコストの浪費について、提案者である市長と知事は大いに反省され、大阪の発展、次世代のために公選職の職務に全力を尽くすべきです。

 住民投票の重要性を認識するからこそ、市民に対し移行すれば二度と大阪市に戻れない判断に当たって、十分すぎるくらいの具体的な内容が示されるべきです。ゆえに、この特別区設置協定書の承認議案は私どもの会派は、承認できかねます



大阪市を殺す――「大阪都」構想 元大阪市民の覚書(2)

 2015-05-13
住民投票は5月17日に迫っていますが、
大阪市民の有権者のみなさんの中には、
「大阪都」構想について

「よく分からない」

とおっしゃる方が多数おられます。

メディアでは「『大阪都』構想の賛否を問う住民投票」
というふうに報道されることが多く、
「賛成」「反対」両陣営の主張も飛び交っていますが、
今回の住民投票で大阪市民の有権者は何を選ぶのか、
そもそものところを、あらためて確認したいと思います。

今回の住民投票の投票用紙です(見本・大阪市資料)

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「大阪市における特別区設置についての住民投票」とあり、
投票では「賛成」か「反対」かを自書します。
有権者が判断するのは「『特別区』を設置するかどうか」です。

それ以上でも、以下でもありません。

実は、いわゆる「大阪都」構想なるものについての、
「賛成」「反対」を選ぶのではありません。


「特別区」は現在、東京都内だけにありますが、
東京都以外の道府県内の政令指定都市の区域などでも設置できるよう、
必要な手続きを定めているのが、
「大都市地域における特別区の設置に関する法律」(大都市法)。
今回の住民投票もこの法律に基づいて行われます。

ところで「特別区」を設置するとはどういうことなのか。

投票用紙には「大阪市における特別区の設置」と書かれていますが、
「いまの大阪市の中に特別区を設置する」という誤解く恐れがある表現です。

「特別区」は自治体の一種で、大阪市の区域にこれを設置することは、
政令指定都市である現在の大阪市は廃止されることになります。

大都市法の第2条(定義)の3項にも、こうはっきりと書いてあります。

「『特別区の設置』とは、関係市町村を廃止し…特別区を設けることをいう」

つまり、「特別区」の設置についての住民投票は、
「大阪市の廃止」に「賛成」か「反対」かを問うものです。

今回の住民投票には成立要件がありません。
どんなに投票率が低くても、有効投票のうち
「賛成」が過半数であれば、大阪市は廃止となります。

大阪市が廃止になれば、「大阪市民」というものはなくなります。




人は、自分が生まれてくる時代や国や都市を選んで生まれてくるのではありません。

生まれたときが、たまたま、その時代であり、
その国の、その地域なわけです。

「大阪市」でいえば、たまたま、大阪市に生まれ、
あるいは、職業の選択によって、大阪市に住み、
そこで家族となり、そこで子育てをしてきたし、しているわけです。

そこで生まれ、暮らし、そして死んでいくのであります。

ならば「大阪市」なら「大阪市」で、

その「大阪市」は、いったい誰のものでしょうか?


私は、誰のものでもないと思います。

強いていえば、


「みんなのもの」


だと思うのです。


ですから、なんらかの個人が、勝手にすることはできないもの。
それはたとえば、何らかの権力者であっても同様。

いま、住民投票で「賛成」「反対」が拮抗しているとされています。
しかし、賛否が拮抗するようなものを、投票の賛否、
つまりは「どっちが勝ちか」みたいなことで、
決めてしまっていいのでしょうか?


「大阪市」とは単なる「大阪市役所」や「区役所」といった、
建物のことでしょうか?

その中で人々が暮らし、先人も、いま生きるわれわれも、
これから世代も、その中で生きていく場ではないでしょうか?

「大阪市」はそこで暮らし、働く人々がいる、「生き物」ではありませんか?
大阪市の廃止とは、大阪市を殺すことではありませんか?


5月17日の投票日まで、態度を決めかね、悩んでいる人々は少なくありません。

あと数日のうちに、この大阪市を殺すかどうか、決めろというのですか?



方針を破る――「大阪都」構想 元大阪市民の覚書(1)

 2015-05-12
大阪市の有権者による住民投票(5月17日)が迫っています。
私は大阪市民ではありませんので、投票はできません。

振り返ると、このブログを開設したのは2008年2月。
ちょうど、あの橋下徹氏が府知事に就任した直後でした。

当ブログで書く内容と言えば、
タイトルの「はもにか生活 男のきもの暮らし」のとおり、
自分の私の道楽(はもにか、歌舞伎など)、
私の暮らし(きもの暮らし、料理など)に限りってきました。

かたや私は仕事(記者)の中心的なテーマで、
橋下氏が登場して以来の大阪の政治の動向、
いわゆる「大阪都」構想問題を扱ってきましたが、
その中で自分が知り得たことなどは基本的に書かない方針でした。
仕事との境目がつかなくなるとの判断からです。

ただ住民投票をめぐるいまの状況にかんがみ、
「ここまでは仕事」「ここからは道楽」などとは言ってはおれない、
そんな思いで、今回は自分の方針を破ることにします。

いまは大阪市民ではない私ですが、住民投票の結果、
この大都市がどうなるのか、黙ってみているわけにはまいりません。

私は京都・西陣に生まれ育ちましたが、
大阪で学生生活を送り、大阪で職を得、
1990年から2005年までは大阪市で暮らしてきました。
大阪市を拠点に仕事をし、大阪市で子どもを育ててきました。
大阪市から引っ越した後も、大阪市内に通勤しています。

セッションで遊ばせてもらうライブハウスも、芝居見物に出かける松竹座も、
長年通った、いまはなき中座はじめ道頓堀も、
必要なものを買い求める天神橋筋商店街、天満市場、黒門市場なども、
興味に応じて必ず出掛ける天王寺の大阪市立美術館も、
みんな大阪市にあります。

毎年楽しみにしている天神祭も、市民のみなさんが支えています。

2013年の天神祭

天神祭2013年


私の仕事も暮らしも、道楽も、大阪市抜きには考えられません

(つづく)

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プロフィール

こにし すすむ

Author:こにし すすむ


京都・西陣生まれ。大阪の「勤め人はもにか吹き」です。

木綿を中心に、普段のきもの暮らしを楽しんでいます。

▼2005
FIH JAPAN第25回コンテストブルース部門1位
▼2006~
デュオ「こにしんぼ」などで神出鬼没。「出前はもにか」などで活動中

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