「七緒」木綿特集で考えたこと

 2010-03-11
きもの雑誌『七緒』の2010年春号、
木綿特集を読んで考えたこと(その1)。

「この木綿でどこまで行ける?」(34~35ページ)
というコーナーがありまして、

歌舞伎見物については「△」印がついていて、

「劇場の雰囲気や演目の内容を熟慮して
 “あえて木綿”ならアリ」

とのアドバイス。


さて、私ならどう考えるか。


私が歌舞伎見物に出かけた小屋でいえば、
京都・南座、大阪・松竹座、東京・歌舞伎座と、
(大阪の新歌舞伎座は閉場してしまいました)

私は3階席で見物する分には、演目のいかんにかかわらず、
木綿きものこそ相応しいと思います。

歌舞伎見物では、桟敷、1階席、2階席、3階席、
(もうすぐ改装で閉場になる東京歌舞伎座なら幕見席も)
と、それぞれにお値段も、舞台との距離(舞台がどう見えるか)、
さまざまです。

ちなみに私は、歌舞伎を見始めてから3階席専門です。
それは、まず大向こうで掛け声をかけるため。
ごくたまに、1階席などのチケットを譲り受けることもありましたが、
3階のお客さんに「私は掛け声を掛けますもので」と申し出て、
交換してもらいました。

初めて京都の南座で歌舞伎を見たときは高校2年生で、
自分の小遣いでは3階席のさらに上部の4等席しか買えませんでした(笑
1階席で見るお金があるなら、その分、3階席で2度、3度と見たい。

私が歌舞伎を見始めた当時の3階席には、
そんな芝居好きが、老若男女、肩を寄せ合うようにして、
芝居に見入っていたように思います。


歌舞伎座場内


3階席は舞台から遠いし、花道も全部は見えません。
反面、舞台全体が見渡せるし、桟敷も含めて客席も視野に入ります。
舞台と客席との交歓も、すべて見えます。
歌舞伎の場合、これは醍醐味でっせ。


3階席に上がるためには、1階席に通じるロビーを通ります。
開演前、休憩時間には、ご贔屓の方々へのご挨拶・接待などで、
役者衆の奥様方が、いらっしゃいます。

例えば尾上菊五郎夫人の富司純子。

眼福ですね。

こういう方々とすれ違い、時間を共有するのも、
芝居見物の醍醐味です。
南座なら、舞妓さんの姿もあります。

奥様方も、ご贔屓の方も、
それはそれは、見事なきもの姿です。
豪華さを競うことも必要になるでしょう。
それが1階席の光景。空間に漂っている匂いも違います。

そこを抜けて、3階席の「ど天辺」まで行きます。

「ど天辺」の非日常は、実は、日常にも通じています。


きものにも、いろいんなきものがあり、
木綿きものにも、いろんな木綿があります。

きものの間口の広さ、奥深さは、
そのまま、歌舞伎の間口の広さ、奥深さに通じていると信じたい。


「お高くとまった歌舞伎」は見たくない。


京鹿子娘道成寺を、3階席の花道の真上で、
春らしいチェックの片貝木綿で見物している…いいと思うんですがねえ。




コメント
>番頭さん

大向こうは一日にして成らず、ではございますが、
ようは「好きで、うれしくて」掛ける声でございます。

十三代目にかけた

「大松嶋(おおまつしま)ぁ~!」

最近は、「大」とする掛け声が微妙です。
かつては「大成駒」(六代目歌右衛門)、
「大中村」(十七代目勘三郎)とか、
あったんですが。

松嶋屋の場合は、代数のほか、
定紋の「七つ割丸に二引き」に因んで、

「七つ割ぃ~!!」

という声を聞いたことがありますが、
言いにくいので、なかなか難しいですな。

替え紋の「五枚追いかけ銀杏」に因んで、

「五枚銀杏ぅ~!」

は、やったことがあります。


そういえば、歌舞伎の家の一門の、古参の役者さんに、

「大番頭っ!」

というパターンもあり、なかなかええもんです。

三階席から、「番頭玉三郎」の出番かも。



【2010/03/12 18:20】 | こにし #- | [edit]
師匠~~~~~!

また歌舞伎ご一緒させて下さい。

「間」や声の張り具合などまだまだ解かりませぬ故。

歌舞伎座改修に伴い、お江戸の役者さんも関西に来られる機会も増えるようですね。

ご贔屓の仁左様が出演される事があれば如何でしょう?

例の膝ポンで「十五代目~!」なら出来そうです。(笑

勿論木綿着物でね。v-21

【2010/03/12 12:38】 | 番頭玉三郎 #- | [edit]












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プロフィール

こにし すすむ

Author:こにし すすむ


京都・西陣生まれ。大阪の「勤め人はもにか吹き」です。

木綿を中心に、普段のきもの暮らしを楽しんでいます。

▼2005
FIH JAPAN第25回コンテストブルース部門1位
▼2006~
デュオ「こにしんぼ」などで神出鬼没。「出前はもにか」などで活動中

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