きもので山登り または「愛宕山」 連載「落語ときもの」(8)

 2009-05-15
落語「愛宕山」。

京都・室町の旦那はんが、野駆け(ピクニック)へ行こうと、
舞妓・芸妓・幇間を引き連れての、愛宕山参りでございます。


愛宕山に登りまして、見晴らしで「かわらけ投げ」のお遊び。
幇間とのやりとりあって、旦那が小判を山の谷へ投げる。

「小判は拾うたもんのもの」、というわけで、
幇間が茶店の傘で下へ飛び降りまして、「小判や、小判や」と拾い集める。

「どないして上がってくるんじゃい~」と言われて、その幇間、

京へさして別染めにやりました長襦袢を裂いて縄をこしらえ、
竹にキリキリ結びつけて引っ張って、その反動で、

ヒュゥゥゥゥ~ンと元のところへ飛び上がって帰る。

「えらいやっちゃなあ、小判は?」

「忘れてきた」、ドンドンとサゲ。

何度聞いてもスカッと楽しい噺です。


実際には、「そんなことあらへん」というのを笑いにしてしまうのが落語。
登場人物が「それしかない」きもの着てピクニックに出掛けたという「愛宕山」
舞妓さんも、下駄履きとは言い条、
果たして、その格好で愛宕山(標高924メートル)に登れたかどうか。

このあたりも、実は「そんなことあらへん」という世界ですな。



そしたら、どれくらいの山道なら、着流しで山に登れるか。


いらちな私。
「いらちの愛宕参り」という噺もありますが、

先の連休に夫婦して、
京都は右京区、世界遺産の仁和寺の裏手にある

「御室八十八カ所」に、

きもので出掛けてみました。


四国八十八箇所を京都の里山に再現した「プチ霊場」。
子どものころに小学校の遠足で出掛けて以来です。

下調べをすると、一定整備された山道のようなので、
私は川越唐桟に羽織、妻は伊勢木綿に日傘。
履物はアメ底雪駄に、妻は下駄(琴平のこんぴらさんもそれで登った歴戦の勇士)。


最初は比較的なだらかであります。

御室1


だんだん、急な坂や石段ですが、
基本的に整備されているので、どんどん行けます。

愛宕山が見える眺望のある地点にて


御室2

それでも、私、ちょと着崩れてますのはご愛嬌。


全行程約2時間で88カ所の「結願(けちがん」。


私「まあ、これくらいやったら余裕ですな」
妻「そうですね」
私「愛宕さん登るとしたら、この格好では、ちょとしんどいですな」
妻「そうですね」
私「脚絆をつけるとか。やっぱり草鞋で」
妻「え?」
私「私は、野袴なんかで」
妻「そこまでするんなら、洋服でいいやないですか」
私「いや、いつかはきものde愛宕山、やらんと」

さて、いつの日になりますか。





コメント
>番頭さん

「骨つり」、よろしでんなあ。

私んとこには、別嬪さん、
番頭さんとこには、五右衛門で如何?

【2009/05/17 12:00】 | こにし #- | [edit]
実はわたしも「うんち」(運動音痴)なんですよ~

「着物で釣り」良いかもです。

一時期「ヘラブナ釣り」に凝っておりまして、あちこちの野池や釣り堀に行ってました。

でも着物で二人しての釣行、ましてや落語好きとなれば釣れたのは髑髏で「骨つり」の世界になったりして~(笑
【2009/05/17 11:38】 | 番頭玉三郎 #- | [edit]
>御寮さん

履物の合う・合わぬは繊細なテーマですね。

ちなみに私自身は、靴は、
圧迫感や「蒸れ感」があるので、
むしろ草履や下駄のほうが、すこぶる快適です。

あと、「きものオンリーだった冬至の日本人は
どんな歩き方をしていたか」みなたいなことを、
書物で読んで、いろいろ実践しています。

>番頭さん

妻は、若い頃からある種「スポーツ万能」系ですが、
私はまったくの苦手というか、何をやっても駄目というか、
もともと走ったり、飛んだり、玉を投げたりが面倒というか…
単に「歩くだけ」か、その延長で山歩きくらいが関の山ですねえ(笑

あとやるとすれば、「きもので釣り」(釣堀とか)か。

「きものではもにか」くらいで、どうかご勘弁を。
【2009/05/17 08:35】 | こにし #- | [edit]
「着物でほにゃららら」の先達者にご夫婦でなってください。

次は着物でテニス?ボーリング?ゴルフに卓球。サイクリングもいいかも~¥^^
【2009/05/16 17:59】 | 番頭玉三郎 #- | [edit]
着物で阿倍野近鉄百貨店まで往復歩いて行きますが(約3キロ強)、帰ったら

足がくたくたです。 靴の時は勿論そんな事はありませんが。

足に合う草履がほしいです。

クッション付きの靴に慣れすぎてしまってるのかしらぁ。
【2009/05/16 08:54】 | 御寮さん #- | [edit]
>カスタMさん

(追加)

ちなみに、「かわらけ投げ」は、
大阪の能勢にある妙見山で去年の夏にやりました。
なかなか難しいものですヨ。

>オムTさん

今回のような御室八十八カ所(成就山、標高236メートル)だと、
ほぼ全行程が舗装ないし、石段組なので、晴天だと、
草履や下駄でも特に問題ないですね(上等な履物は×)。

ちょうど新緑で、吹き抜ける風とか、久々の土の匂い、
繁みから聞こえる「ホーホケキョ」など、爽快でした。

以前きもので出掛けた金刀比羅さんの石段のほうが、
私としては辛かったです(笑

白足袋で行きましたが、全体は思いのほか汚れず、
底は親指の裏が、力が入っていたのか、まとまった汚れでした。

>BIG ROCK!!さん

私は京都市内の生まれ育ちですが、愛宕山は見るだけで、
登ったことがありません。
牛若丸や天狗で知られる鞍馬山とかは登ったことがあります(洋服で)。

一定の装備をすれば、愛宕山は登れるそうですよ。
昔昔、私の弟が親戚のおじいさんと一緒に、
大晦日に登って初日の出を拝む、
というのをしたことがあります。

辻月旦のことは不勉強で知らないのですが、
まあ、修行にはうってつけでしょうね。

水戸黄門のご老公、助さん、格さんのイデタチなら、
登れるでしょう。

>おかもとさん

桂米朝さんが若いころ、
実感を込めて口演しようというようなことで、
「いっぺん愛宕山に登ってみます」と先輩の落語家に言ったら、
「やめとけ。登ったらこの噺はできんようになる」
と言われたそうです。


【2009/05/16 07:29】 | こにし #- | [edit]
ずいぶん前に愛宕山に登ったことがありますが、着物で登れるところでは有馬しぇん。

そんなところに着物の芸妓さんとかは絶対無理な、おもろい話なんでしょうね。
【2009/05/16 01:10】 | おかもと #mQop/nM. | [edit]
え” 愛宕山って普通に登れる山なんですか!


無外流の祖、辻月旦がこもって修行に励んだと言われる山です。


どこかにその記載は在りませんでしたか? 看板とか?? いつか行ってみたいです。


因に無外流は、映画「雨上がる」でルビーの指輪の人が演じている流派です。確か八王子の方で道場を開いている先生が指導に当たったそうです。
色付きの文字
【2009/05/16 00:57】 | BIG ROCK!! #0EjQUAK2 | [edit]
あ、履き物がやはり弱点、
足首を止めるわらじがいいのかも。

某着物の方は地下足袋に鼻緒をぬいつけているのをネットで見ています。
【2009/05/15 23:26】 | オムT #- | [edit]
野袴だとほとんどズボン、
多分いけるはず、
私は街中派なので
山歩きはしませんが。

着物で無理する事も、しないことも
両方選択肢。

でも、時々挑戦しなくて後悔もするんですよね。
【2009/05/15 23:19】 | オムT #- | [edit]
>カスタMさん

もちろん、覚えてまっせ~

前編、暗記している落語です。

【2009/05/15 22:18】 | こにし #- | [edit]
この、「愛宕山」って前にNHKの朝ドラの「ちりとてちん」の中で
やっていましたね~~。
覚えてますか?
【2009/05/15 21:58】 | カスタM #- | [edit]












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こにし すすむ

Author:こにし すすむ


京都・西陣生まれ。大阪の「勤め人はもにか吹き」です。

木綿を中心に、普段のきもの暮らしを楽しんでいます。

▼2005
FIH JAPAN第25回コンテストブルース部門1位
▼2006~
デュオ「こにしんぼ」などで神出鬼没。「出前はもにか」などで活動中

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