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「貧乏花見」 連載「落語ときもの」(7)

 2009-04-01
きょうから4月。大阪でもあちこちで桜が咲き始めました。
うちの家の近くの元茨木川緑地、通称「桜通り」もご覧のとおり。

桜


さて随時連載の「落語ときもの」。

前回記事からだいぶ間が空きましたが、この季節を待っていたのでございます。


今回のお題は「貧乏花見」です。

大阪の貧乏長屋の連中、花見と洒落こみまして、
めいめいお洒落をして、さて出掛けようかというところでございます。
(引用は『上方落語 桂米朝コレクションⅠ 四季折々』ちくま文庫)

(1)再生紙の紋付

最初に登場するのは八卦見、すなわち占い師の先生。

○「…やあ、八卦見の先生、やっぱりご商売柄だけあって
  上品でんなあ、黒の五つ紋。ええ、やっぱり黒紋付ちゅうのは
  よろしいがな、ウーム、そら奉書(ほうしょ)でやすか」
八「そんな上等やないで」
○「紬でやすか」
八「いやいや」
○「そらなんでんねん」
八「草紙や」
○「草紙、ちゅうたらどんな布(きれ)でんね」
八「いや、長屋の子供が手習いをした草紙の真っ黒になったやつを貼り合わした」
○「紙の着物、着てきやはったで…紋はなんでんねん」
八「紋は紙で切り抜いて貼ってある」
○「羽織の紐は」
八「こよりや」

「奉書」は『広辞苑』(第6版)によれば
「①……。②奉書紙の略。③奉書紬の略。」とあって、

「奉書紙(ほうしょがみ)」=「楮紙(こうぞがみ)の一種。
皺がなく純白で、きめの美しい和紙」

「奉書紬」=「平織薄手の精良な紬。福井・石川県の産出。
法衣・黒紋付などに使用」

とあります。

落語の問答によくある展開ですが、
最上格の礼装=「五つ紋」の黒紋付きかと思えば、
上等の紬でもなく、上質の紙ですらなく、
「草紙」=「漉き返し(すきかえし)」つまり再生紙に格下げ。


(2)なんちゃって羽織

次は「松つぁん」の出番

○「…ええ、小粋な小紋の羽織着て」
松「羽織に見えるやろ」
○「羽織とちがうのんかいな」
松「半襦袢の衿はずして着てんねやがな」
○「羽織の紐は」
松「下駄の鼻緒や」

半襦袢を羽織に転用しているのもさることながら、
羽織紐が下駄の鼻緒というのが、すごい。
紐は半襦袢に縫いつけているのでしょうか。


(3)究極の二部式着物

今度は女連中(おなごれんじゅう)で、「お梅はん」

○「そやけどあんたの着物、ちょっと変わってるな、おい。
  裾模様ちゅうのはようあるけど、あんたの着物、裾が無地で、
  上に模様があるな。そんな着物あつらえたんか」
梅「何を言うてなはんねん、アホらしいもない。
  わてとこ夫婦の間で着物一枚がよりないがな。
  うちのおっさんに着せたらわて着るもんもあれしめへんやろ。
  で、上はお襦袢着てな、下、何にもないのん頼りないさかい、
  風呂敷を巻いて、ほいで間へ帯しめたんや」
○「ええ度胸やでえ、おい」

究極の二部式着物!

「夫婦の間で着物一枚がよりないがな」と底抜けのリアルさ、
そこで知恵を出したおかみさんの科白に、夫婦愛を感じます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これより前、長屋の男2人の問答。
目の前を豪華なきものを着た、花見行きの母娘が通りがかります。

○「親子で二百円からの物を身体へつけて、御馳走持って花見に
  行く奴があるかと思ったら、二人合わして十五銭にならん着物着て、
それ見てボヤいている奴がある。俺もういやんなってきた」
△「…花見に行きたかったら行たらええねん、木戸銭いれへん。
  花タダや、見に行きいな」
○「見に行きいな言うたかてお前、こんな格好で」
△「こんな格好ちゅうたかて。花見に行くのやないかいな、
  着物を見せに行くのやないがな。
  良え着物着て行こうが、ボロさげて行こうが、
  花は咲きよう変わらへんがな。花を見に行くのやがな」


痛快でんなあ。こうなったら、もう怖いもんなしです。

噺の最後のほう、長屋の連中が騒ぎを演じて、
どこかの商家の豪華な花見の宴になだれこみ、商家一行が逃げた後、
皆で、その場にあるご馳走やら、酒やらを横取りしてしまいます。

商家の一行にいた幇間、「さては相対喧嘩か」とみて文句を言おうと、
向こう鉢巻に尻からげで長屋連中のところに行きますが、
逆にやりこめられてしまいます。

威勢よく殴り込みと勢いこんだ幇間に、
長屋の男が啖呵を切るのであります。

 「一ぺん死んだら二度と死なん。こんな御馳走食うて、
  こんなうまい酒飲んだ時にパアーンといかれたら極楽往生や。
  さあ、殺せ。さあ、どつけ」


「貧乏花見」の世界でたくましく暮らす人々に、パワーを貰う思いです。

きものは、「着るもの」、「着てなんぼ」。
そして、「着たもん勝ち」、でっせ。

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プロフィール

こにし すすむ

Author:こにし すすむ


京都・西陣生まれ。大阪の「勤め人はもにか吹き」です。

木綿を中心に、普段のきもの暮らしを楽しんでいます。

▼2005
FIH JAPAN第25回コンテストブルース部門1位
▼2006~
デュオ「こにしんぼ」などで神出鬼没。「出前はもにか」などで活動中

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