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「ブルースをナメるな!」~山中湖畔合宿の段③その1 妹尾さんのことば#25
2018-07-04
合宿の夜も更けて、すでに日付が変わっていました。スタジオにいたのは妹尾さん、東京の生徒さん2人と、
あと京都ジムOBの私、それに録音エンジニアの男性。
そのうち東京の生徒さんの男性が、
教室の課題曲(妹尾版Juke)でなしに、
自分で選んだ曲を録音したものを聞いてほしいと申し出て、
妹尾「よし、わかった。聞いてやる」
曲は、DeFord Baileyの「Davidson County Blues」。
YazooのCD「Harmonica Blues」の最後に入っている、
一人吹きの演奏です。

私は再生された演奏を聞いて、
「ようこんな、難しい曲、ここまで吹けるんやなあ」
と感心してました。
再生終了。ややあって、
妹尾「この曲は、どういう曲や?」
男性「…デフォード・ベイリーの、1920年代の曲で、
妹尾「何?」
男性「あ・・・あの・・・もとはブギウギ・ピアノの」
と、妹尾さんは、
「ブルースをナメるな!!」
大音声とともに、手にしていたライターを投げつけました。
私は京都ジム時代に、要求されたことができずに、
「なんべん言うたらわかるんや」と怒られたことはありましたが、
このときのように、全身全霊で怒りを表す妹尾さんを見たのは、
初めてのことでした。
録音した曲を披露した生徒さんだけでなく、
もう一人の生徒さんも、私も、言葉がありません。
ふとエンジニアさんを見ると、
この一部始終をニコニコと見守ってはったのが、
印象的でした。
(③その2へつづく)