ややこしや――「大阪都」構想 元大阪市民の覚書(5)

 2015-05-15
「大阪都」構想について「よう分らん」という疑問が出る、
大きな理由の一つは、「大阪都」ないし「『大阪都』構想」という、
名前そのものにあると私は思っています。

今回の住民投票で大阪市の有権者が選択するのは、

「特別区設置協定書」に基づいて、
大阪市を廃止して「特別区」を設置することに、
「賛成」か「反対」かのいずれかです。

「特別区設置協定書」の原本にも、
大阪市が作成した公式資料である説明パンフレットにも、
「大阪都」という言葉・用語は、一切出てきません。

大阪市を廃止して「特別区」を設置しても、
大阪府は「大阪府」のままで、名前は「都」になりません。

「特別区」の設置や住民投票の根拠となっている、
「大都市地域における特別区の設置に関する法律」には、
道府県の名称について特別の規定がないからです。

参議院総務委員会(5月12日)で、
地方自治を所管する総務省の高市早苗大臣が、あらためて、

「大阪府に特別区が設置されることとなった場合においても、
 これによって大阪府という名称が変更されるものではありません」

と答弁している通りです。「大阪都」という名称には法的な根拠がないのです。

(もし将来、大阪府を「大阪都」にするためには、
別の法律を制定した上で、大阪府民の住民投票が必要になります)

大阪市の「説明パンフレット」には「序文」のような扱いで、
「『特別区設置協定書』について 大阪市長 橋下徹」
という、橋下市長ご自身の文章が2ページにわたって掲載されていますが、
そこでも「大阪都」や「大阪都」構想の言葉は使われていません。
法的な根拠がない以上、行政の長=大阪市長として、
「大阪都」構想という言葉を使って説明することはできないからです。

そもそも「大阪都」構想とは、
橋下さんを代表とする「大阪維新の会」という、
特定政党(現在「大阪維新の会」は維新の党大阪府総支部)の、
最高かつ唯一の政策のことです。

「大阪都」構想であれ、何であれ、個々の政党が、
自らの政策をどのように掲げようと自由です。
実際、橋下さんは大阪維新の会の代表として、
「大阪都」構想、「都」構想という言葉を何万回、いや何十万回?も、
語ってこられました。

「大阪都」構想とは、提唱者である橋下さんや維新の会の説明どおりでいけば、

①「大阪全体を発展させる強い広域自治体」(=大阪都)をつくる
②「住民に身近な基礎自治体」(=特別区)をつくる

というのが柱です。

ところが、今回の住民投票で問われるのは、②の「特別区設置」です。
①の「大阪全体の発展」とか「成長戦略」といったものは、
「特別区設置協定書」そのものには書かれていません。

なのに、橋下さんが住民投票で「『大阪都』構想を実現させてください」
とあちこちでおっしゃいますもので、メディアもそのとおり流しますから、
多くの市民が、

「ああ、『大阪都』構想なんやな」

と感じてしまうのです。

かりに大阪市が廃止されて特別区が設置されると、市民の住所は変わります。
パンフレットには町名変更についての「原則の考え方」が載っています。
現在「大阪市淀川区十三本町」は「大阪市北区淀川十三本町」にするといいます。

ところが橋下さんは大阪維新の会の街頭演説などでは、たとえば、

「大阪都北区淀川十三本町になります。町名は残ります」

と叫んでおられます。

大阪維新の会の代表と、大阪市長が同一人物であるということに、
「ややこしさ」の根があるようです。


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こにし すすむ

Author:こにし すすむ


京都・西陣生まれ。大阪の「勤め人はもにか吹き」です。

木綿を中心に、普段のきもの暮らしを楽しんでいます。

▼2005
FIH JAPAN第25回コンテストブルース部門1位
▼2006~
デュオ「こにしんぼ」などで神出鬼没。「出前はもにか」などで活動中

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