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戦争と歌舞伎 昭和18年大阪歌舞伎座番付から(3)

 2014-07-06
「大歌舞伎十月興行」の番付を見ると、座組は六月興行とほぼ同じで、
片岡我當(四代目、のちの十三代目仁左衛門・1903-94)が参加。

狂言立ては
昼の部
第一 御所桜堀川夜討
第二 色彩間苅豆
第三 上・大楠公の最後 下・大楠公夫人
第四 乗合船恵方萬歳

夜の部
第一 通し狂言 大岡政談天一坊 五幕
第二 上・くろ髪 下・鳥羽絵
第三 勧善懲悪孝子誉 二幕

一日初日、十四日より昼夜入替。

十月興行番組


「大楠公」、つまり楠木正成のことで、「時局もの」。
六月興行と比べ、十月興行の番付はサイズが一回り小さく、
紙質も落ちています。

見返しには、「勝ちぬく誓」というのが載っています。

十月番付見返し


みたみわれ 大君にすべてを 捧げまつらん
みたみわれ すめらみくにを 護りぬかん
みたみわれ 力のかぎり 働きぬかん
みたみわれ 正しく明るく 生きぬかん
みたみわれ この大みいくさに 勝ちぬかん

この「勝ちぬく誓」は防空演習や軍事教練の折に唱和されたそうです。

「大君」とは、当時の人には説明不要だったでしょう、天皇のこと。
「みたみ」は「御民」。「みたみわれ」とは、
「天皇の家来である私」ということ。

その「私」を主語にして、
真っ先に唱えなければならないのは、大君に「すべてを捧げる」こと。
その次が「すめらみくに(皇御国)」つまり「天皇の国」を護ること。

現代の戦争ものの映画などで、
「若者は空に散った。愛する人を守るために」
といったフレーズがよく出てきますが、
私はかねがね、「ウソや。それはないやろ」と思ってきました。

中には主観的に「妻や恋人のために」と思った人もいるかも知れませんが、
戦争遂行の基軸になっているのは「天皇のためにすべてを捧げよ」であり、
「国を守る」というのは、今日イメージする国民主権の国ではありません。

戦地に行った元日本兵の方による戦争体験の証言で、

「銃も、弾も、軍馬も天皇陛下のものとして扱った」
「上官の命令は天皇陛下の命令ということ絶対服従だった」

という話を何度も聞きました。

六月興行の番付に載せられた「戦陣訓」(1941年)。
その「本訓」の第八にあるのが、よく知られる

「生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」

天神橋筋商店街にあった古書店「天四文庫」はことし5月末で閉店。
閉店前にお邪魔したとき、ご店主(90歳)が、

「時間があれば聞いてほしいのです」

と、自らの戦争体験を語ってくださいました。

「戦地から撤退するときに、殿(しんがり)で部下を前線に留めました。
 部下は『死ぬのは怖くありません。でも腹が減るのが怖い』と言ったのです。
 死ぬことが怖くないという人間をつくったのは教育です」


「戦力増強の秋に展く」と銘打った十月興行の番付、
本文の中に登場するのが兵器増産のスローガンですが・・・。

十月興行スローガン1

十月興行スローガン2


戦局の転機となったミッドウェー海戦での日本海軍敗北から、
このときすでに1年半余が経っています。

(つづく)


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プロフィール

こにし すすむ

Author:こにし すすむ


京都・西陣生まれ。大阪の「勤め人はもにか吹き」です。

木綿を中心に、普段のきもの暮らしを楽しんでいます。

▼2005
FIH JAPAN第25回コンテストブルース部門1位
▼2006~
デュオ「こにしんぼ」などで神出鬼没。「出前はもにか」などで活動中

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