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戦争と歌舞伎 昭和18年大阪歌舞伎座番付から(2)

 2014-07-05
この番付の歌舞伎興行が行われた昭和18年(1943年)は、
どんな年だったのか、手持ちの岩波「新版日本史年表」から拾うと、

1・13 ジャズなど米英楽曲約1000種の演奏禁止
2・1 ガダルカナル島撤退開始
3・15 谷崎潤一郎「細雪」(「中央公論」)連載禁止
3・18 戦時行政特例法・戦時行政職権特例等各交付(首長の権限強化)
4・18 連合艦隊司令長官山本五十六、ソロモン上空で戦死(6‐5 国葬)
5・29 アッツ島の日本守備隊全滅
6・1 閣議、戦力増強企業整備要綱決定(超重点生産)
    東京都制交付(7・1施行)
6・4 戦時衣生活簡素化実施要綱決定(長袖の和服・ダブルの背広等禁止)
6・20 創価教育学会の牧口常三郎ら幹部検挙
7・21 国民徴用令改正(国家目的による徴用を規定)
9・3 伊・連合軍、休戦協定調印(-8公表) 無条件降伏
9・4 上野動物園、空襲時にそなえ猛獣を毒殺
9・17 25歳未満の女子を勤労挺身隊として動員
10・21 神宮外苑競技場で学徒出陣壮行会
12・10 文部省、学童の縁故疎開促進を発表

大阪市の公式の市史である「新修大阪市史」第10巻(1996年)、
そこに収められている年表から大阪の出来事を拾うと、

1・1 高槻市成立
1・23 大阪市役所職制改正、防衛部を新設
3・15 大阪府特高課、大阪商大名和統一教授らを検挙(大阪商大事件)
4・1 大阪市分増区実施。福島・大淀・城東・都島・生野・阿倍野・
    東住吉区新設(大阪市22区制)
5・1 貝塚市成立
5・26 旧市政下での最後の市会開会
9   府会議員任期満了、戦局悪化のため選挙中止
9   天王寺動物園で動物処分始まる(19年にかけて)
11・16 中之島公園で出陣学徒合同壮行式
12・18 北区協和会館で在阪朝鮮・台湾学徒志願兵壮行会挙行
12・31 市役所職制改正、臨時防空施設部設置

これだけみても、戦争遂行へ、国民生活への干渉・統制、
若者を戦争や戦時体制に動員する動きが一層進んでいったことが分かります。
岩波年表にある谷崎の「細雪」の連載、
作品に登場する四姉妹のぜいたくな生活が「時局になじまない」
として当局から禁止されたことへの不安や悔しさを、
谷崎が詠んだのではないかとされる俳句を記したハガキが発見された、
というニュースがありましたね。

歌舞伎はじめ興行界への統制や弾圧は、以前から始まっていました。

「新修・大阪市史」第七巻(1994年)によると、
昭和12年(1937年)は初代中村鴈治郎の三回忌、新派創立50周年、
松竹家庭劇創立10周年、新国劇創立20周年の節目で、
「各所で記念興行がにぎやかに行われた」(899ページ)。

ところが同年7月7日の盧溝橋事件で日本は中国への全面侵略戦争を開始。

「演劇界もまた戦時体制に入ることになった。
 九月九日、大阪府は国家総動員の一員として演劇・演芸・映画など
 大衆の感情・意識の高揚に特に重大な役割を演ずる大衆娯楽の統制を目ざし、
 午前十時から知事別館に松竹興行の白井社長、吉本興業の林正之助をはじめ、
 劇団・劇場・映画館等の責任者や、主だった俳優・芸人・演出家・作者など、
 興行会の代表六五人を集め、『興行物の質的向上をはかり、娯楽を通して
 大衆層の非常時意識の昂揚に邁進するよう関係者の自覚を促し』ている(『大
 阪毎日新聞』昭和12・9・8)」(899~900ページ)

「新修 大阪市史」は大阪府警察局保安部の検閲による新劇の上演禁止、
さらには昭和15年(1940年)の中座・初春公演に予定されていた、
「時雨の炬燵」が突然上演禁止処分となったことにも言及。
さらに、戦意高揚のための「軍事劇」や「国策宣伝劇」が増え、
「戦時体制を理由に戯曲創作の内容は軍事・国策宣伝に
強く拘束されはじめた」(903ページ)と書いています。

手元の「大歌舞伎六月興行」の番付の裏見返しには、歌舞伎座支配人の言葉として、

「歌舞伎座は皆様の劇場として劇場機構の萬全を期すると共に、
 時局下に相應しい健全なる慰樂機関として、演劇課せられた使命の完遂に、
 従業員一同は努力邁進して居りますが、設備その他お気附きの点を始め
 陣容や狂言に対しても、皆様の御希望や御指導をお伺ひし度いと存じます。
  そして、真に銃後演劇文化の向上を目指して、皆様と共に銃後國民慰樂の
 樹立を計り度いと存じます」

六月興行裏見返し


もう一冊の「大歌舞伎十月興行」の番付では、表紙に、

「戦力増強の秋に展く」

との文字が添えられています。

十月興行表紙



(つづく)
コメント
>右京さん

連載脱稿後にまとめて返信します(ご容赦)
【2014/08/06 22:14】 | こにし #- | [edit]
その年は戦局も内政も大きな変化があって、そのまま終戦をむかえてしまったという感じですね。

死んで元帥となった山本氏が長岡藩士の家系でさえなかったら、
そんな時期の艦隊司令などという冷飯喰わされんでも済んだのかもしれません、
山本政権なんて体制があって、少し違った政治があったんかもしれません、
少し違うた歴史があったんかもしれません。

昨今それに価する人材が居てるんか居らんのか?
【2014/07/05 21:17】 | 右京 #- | [edit]












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こにし すすむ

Author:こにし すすむ


京都・西陣生まれ。大阪の「勤め人はもにか吹き」です。

木綿を中心に、普段のきもの暮らしを楽しんでいます。

▼2005
FIH JAPAN第25回コンテストブルース部門1位
▼2006~
デュオ「こにしんぼ」などで神出鬼没。「出前はもにか」などで活動中

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