ベンド、または「音探し」

 2012-02-26
きょうは朝ゆっくり起きて、パン。
掃除・選択を済ませ、遅めの昼食は「にゅうめん」
その後、夕方から大阪市内まで仕事に出掛ける。


にゅうめん



昆布と鰹節でだしを引いて、
かまぼこ、湯葉、葱で食す。


と言い条、これは「必殺料理人」の記事ではありませんで、
久々に、はもにか「お気楽・入門」の一環。


10穴はもにかに取り組む人の、
ほとんどすべての方々が突き当たる壁に、

「ベンド」


があります。



低~中音部で、吸い方をコントロールすることで、音程を下げ、
高音部では吹き方を操ることで、音程を下げるテクニック。
このブログをご覧の方なれば、すでにご存知と思いますが、
最初は、なかなか思うように音程が変りません。


「なかなかベンドがうまくできないんです」


という方に、いつも私が言っていることは、


「できなくて当たり前、できないほうが正常です」



なぜか。

もともと、この10穴はもにかを考え付いた人は、
そこで調律されている音を鳴らす楽器として、こしらえたのだと思います。
「ベンド」というのは、楽器の成り立ちからいえば、


「想定外の使い方」




ではないかと思うのです。

ドイツで生まれたこの楽器が、
回りまわってアメリカの黒人たちが手にして、
奏法を開発していくことになるとは、
最初に10穴はもにかを考案した人は、夢にも思っていなかったことではないか…


ですから、楽器の側から考えると、


「ベンドは、できなくて当たり前」
「ベンドできるほうが、むしろ異常」


と言ってもいいくらい。



ただ、これは、この楽器と付き合っていくうちに、いつかは、


「必ずできるようになるもの」




だとも思っています。



穴が10個しかなくて、吹くか吸うか、
その穴にとどまるか、左へ行って吹き吸いするか、
右へ行って吹き吸いするか、その組み合わせで演奏するのがこの楽器。


おそろしく単純です。


この単純な楽器で、いかに「いろいろな音をつくるか」、
その「音」を探して、有名無名問わず、
先人たちが工夫を重ねて、この楽器の持っている力を引き出してきたのではないか。

そんなふうに思います。


緊張と緩和 または、はもにか

 2011-11-14
「緊張と緩和」と聞いて、


「桂枝雀さんッ!!」


と言えるあなたは、落語ファン。


と言い条、前に、「落語、大好きなんです」という方と話していて、
枝雀さんの話を出すと、

「誰ですか?それ」


と聞かれまして、私は後ろから味方に撃たれたような気がしたものですが…



「落語は緊張と緩和である」というのが枝雀理論。

同時に、私ども、日々の営みの中で、仕事で緊張を強いられる分、
うまい具合に緩和を取り入れていくのが、よろしいと思います。

「緊張と緩和」で組み立てられた落語で思い切り笑うなんぞ、
これまさに、生活全体の中では極上の「緩和」で、
本来なら、生の落語会に足を運んで「空気を共有する」のが上々吉なんでしょうが、
私自身は、なかなかそれも叶いません。


で、毎日の通勤電車で、仕事関係の本や書類も読みますが(緊張)、
米朝師匠や故枝雀さんのものを中心に、
落語の速記本を読んで、楽しむことにしています。
(東京のものなら、故志ん朝師匠や、小三治師のもの)

きのう・きょうと読んでいるのが、ちくま文庫の、
「上方落語 桂枝雀爆笑コレクション」の第3巻


枝雀本



「枝雀さんに会いにいく」つもりで、
姿、しぐさ、声を思い出しながら読みます。
そうして脳みそも活性化するというわけで、
こんな落語の楽しみ方もあります。


で、第3巻所収「崇徳院」のマクラ。


「笑うことは身体に良い」という話で、笑うときは「息を吐いて笑う」、

「吐いて吐きっぱなしっちゅうことはまずございません。
 自然の力によって吸いますからね
 それで思わず知らず知らず深呼吸の作用がありますから
 これが良いのでございますね」(138ページ、下線は私)



おお、これ、はもにかの吹き吸いと同じことやなあと。

そうです、この記事は、はもにかがテーマでございます。


はもにかは息の「吐き」「吸い」の両方で音をつくる楽器です。
で、いろんな教則本にも「腹式呼吸で」と書いてありますけれど、
それを意識しすぎると、身体がギクシャクするものでして。

とくに、難しい(難しそうに感じる)のは、「吸う」ときで、
「息が続かない」とか「肺活量が…」てな悩みがついて回ります。
10穴はもにかにおいて不可欠な「ベンド奏法」も、
低音部では吸う時にかけるので、「吸い方」が決め手になります。


そこで枝雀さんの登場。

吐けば、自然の力で吸うように、人間の身体はできているわけで、
「吸い」でお悩みのあなた、まずは「吐いて、吐いて、吐いて」
いよいよあかん、となったときに、自ずと「吸う」、
あるいはその逆に「吸って、吸って、吸って」といくと、どこかで「吐く」。

そういうのに、リードの振動を乗せていく。


こんな練習法もあると思います。


 

要諦

 2011-09-06
10穴はもにかで、お悩みの方がおられたとしましたら、

要諦は、ともかく、「毎日可愛がってあげる」ことです。


要諦0906



でないと、楽器が「スネ」てしまいまっせ~



そんなに力(りき)んでどうする~お気楽・ブルースハーモニカ入門(8)

 2011-07-23
入手したノギスを使った計測第1号は、はもにかです。

リードは、息の吹き吸いで振動する、はもにかの発音源です。

はもにかの音は、もともと、これによって生じて、
ボディーやカヴァー、それに奏者の口腔や頭部、
それに保持している手に共鳴するわけです。


そのリードを測ってみました。


とりあえず、マリンバンド・クラシックで、測りやすい10番穴の吸い音。


幅を測る。


リード幅



厚さを測る


リード厚さ



リードの幅は、1・85ミリ。
そしてリードの厚さは0・1ミリ。


これが低音部、1番穴の吸い音側のリード、幅は変らないとして、
先端部分の厚さは、0・25ミリ。


発音源であるリードそのものは、ことほどさように、ごくごくデリケートなもの。


このリードを震わせるのに、そんなに力んで、どうするんですか?



思うに、力いっぱい吸ったり吹いたりすればいいというものではない。


そのデリケートなリードが、機嫌よく震えてくれるように、
それに相応しい息を出し入れすればいいわけで。


ですから、はもにかの吹き吸いは、さしずめ「ご機嫌うかがい」。



楽譜は読めません~お気楽・ブルースハーモニカ入門(7)

 2011-07-16
「ブルースハーモニカをやってみたいのですが、
 楽譜が読めません。できるでしょうか」

という質問を受けることがあります。


楽譜というのは、いわゆる「五線譜」のことだと思いますが、
私はさっぱり読めません。


読めませんが、かつて高校生のころ、
クラシックの楽譜を買ったことがあります。
楽譜を読むのではなく、聞き覚えた曲を、
楽譜を見ながら頭の中で適宜再生して楽しんでいたのでした。


ベートーヴェンの交響曲第3番のスコア(総譜)


エロイカ総譜



フルオーケストラともなれば、いろんなパート合わせて、
総勢100人くらいが合奏するわけですから、
作曲家としても、楽譜を用意することが必要だったんでしょう(勝手な解釈)。
また楽譜を残すことで、システマチックに伝承できるし。


ベートーヴェンの「第九」の総譜。いわゆる「歓喜の歌」の部分


第九総譜



この「歓喜の歌」のメロディーをはもにかの譜面?にした例。
ホーナー社がマリンバンド100周年記念で出した教則ブックレットにあるもの。


英文教則本4



白抜きが「吹く」、黒字が「吸う」ですね。

「初見」ではなんのことか分かりませんが、
「歓喜の歌」のメロディーを口ずさめるほどに知っていれば、
穴番号どおりに吹き吸いを組み合わせて演奏できるわけですね。

このあたりが、はもにかのお手軽なところ。

同じブックレットにある、「聖者の行進」


英文教則本3



歌詞の上にある黒点の数で、音の長さを示しているということが、
「歓喜の歌」よりよく分かりますな。

この黒点がなくても、「聖者の行進」を知っていれば、
対応する穴を吹き吸いすれば、とりあえずメロディーが奏でられるわけです。

かなりいい加減な楽器ですね(笑)。



別の英文の教則本から。


英文教則本1



2と3、4と5の穴を鳴らすわけですが、
「da」とか「DIT」とか「dah」とか書いてあります。
これはつまり、単に息を吐いているとか吸っているというのではなく、
「ダ!」とか「ディッ」とか「ダァ」と喋る気持ちで、
吹き吸いするということでしょう。


これは、実は極意だと思います。


もう一つ別の教則本。サニー・ボーイ・ウィリアムソンの曲を解説した例。


英文教則本2



穴番号とともに、「Wah!」「Ah!」とか書いてあります。
これも、「ワァ!」とか「アァ!」という風に音をこしらえろ、ということでしょう。
つまり、音の表現のことを言っているんだと思います。

ある一つの穴を吸って音を出すときでも、
口や舌の形や、手の使い方、音の大小、強弱で、無限に世界が広がるわけです。

そして、こういうことは、実は楽譜には表し切れません。


最初の問いに戻れば、楽譜は読めるに越したことはないけれど、
読めなくても心配はいらない。
楽譜とはまったく別の次元の世界があるからです。






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プロフィール

こにし すすむ

Author:こにし すすむ


京都・西陣生まれ。大阪の「勤め人はもにか吹き」です。

木綿を中心に、普段のきもの暮らしを楽しんでいます。

▼2005
FIH JAPAN第25回コンテストブルース部門1位
▼2006~
デュオ「こにしんぼ」などで神出鬼没。「出前はもにか」などで活動中

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